適性検査で「眼鏡条件」という屈辱的な大敗を喫した後は2時間の講習。
そこで私は警察との癒着の現場(※1)を目撃してしまったのでした。
(※1)癒着の現場……表現は誇張しています。
既定事実
免許更新のラストを飾るのは講習。ちなみに違反者の講習時間は2時間。講師によればこの講習時間は法律で決まっているのだとか。
ただ座っているのも楽ではない。
もっとも違反者だけ狭い部屋に集めさせられて、そこへハートマン軍曹ばりの教官が登場。 「おまえらは人間のクズだ!」など散々罵倒されて、「交通ル=ルを犯した我々は人間のクズです!イエッサー!!」 地面に這いつくばって靴でもなめさせられるのかとビクビクしていたが、日曜日ということもあり初心者組との合同講習。精神的トラウマは回避できそうだった。
最初の30分は映像講習。
「飲酒運転ひき逃げ事故による遺族の苦しみ」とかいうアレだ。
まったく面白くもない映像を見せら……と思いきやこれが予想外に面白い。もちろん別の意味で。色々とツッコミどころ満載。
ケース1:
息子が飲酒運転によるひき逃げ事故に遭ってしまった親御さんの場合。
息子の携帯電話と交信することを心の支えにしています。今でも息子の携帯電話には友人からのメールが届きます。たぶんビデオはコレ(PDFファイル)
……やっぱりケータイで心の繋がりっすよね。
それよりも今でも基本料金支払い続けているんですね。乙。
ケース2:
娘を交通事故で亡くしてしまった親御さんの場合。
娘は交通安全に対して人一倍しっかりしていました。娘と買い物に出掛けたときのこと。駅まで歩いている間に私が娘と並んで話しかけようとしたら、
「お母さん、白線の内側歩こうよ。駅まで歩けばいっぱいしゃべられるから、ちょっと黙ってて」
と怒られました。娘の事が忘れられず、来客があるといつも遺品を出して出迎えます。
たぶんビデオはコレ(PDFファイル)
……今どき、こんなヤツおらへんやろ(なぜか関西弁)
というか遺品を出して来客の出迎えって……いやがらせか?
…………………………。
演出が過ぎるにしろ何にしろ、最愛の人が実際に事故に遭っていることは紛れもない事実であるわけで。やはり映像を見ると凹む。
やっぱり飲酒運転はダメだ。絶対に。
という気持ちを新たにして映像講習終了。
映像講習が終わるといよいよ講義。これから始まろうというときに講師が不思議なことを言い出した。
- 今日は日曜日だから混んでいる。
- 本来なら後90分講義をするところだ。
- しかしみんな(参加者)を長時間拘束するのもどうかと思う。
- そこで休憩時間10分と安全運転チェックシートに取り組む時間20分を削って、全体で90分の短縮講習(映像講習は終わったので後60分)にできるのだが、どうだろう。
- 多数決を取って短縮するかどうか決めようと思う。
そう言って講師は挙手を求めた。
もちろん私は………………手を挙げなかった。
「みんなのため」とお題目を唱えながら、結局あんたの休憩時間が増えるだけだろ。幸い今日は時間がある。とことんつき合ってやるぞ。
構わん、働きたまえ。
ところがほとんどの参加者が手を挙げたため短縮講義に決定してしまった。
もし自分のようなひねくれ者まともな人間が多くて、誰も挙手しなかったら本当に2時間講習をするつもりだったのだろうか。
この疑問は最後に解決した。
短縮講義がそろそろ終わろうかというときに講師が「ただいま警察官の方からみなさんの免許が出来上がったとの連絡がありました」などと言い出した。
うそつけ!
お前、外部と何も話してなかっただろ。
そうこうしている間に講習室の扉が開き、免許証を持った警察官が入ってきた。つまり。短縮講義は最初から決定事項だったのだ。
何か釈然としないまま新しい免許証を受け取って外へ出た。
帰り際に久しぶりに献血。
こうして過去の禊免許の更新は無事終了。また3年後に来る免許更新まで大人しくしていよう。三年忍耐。そして次こそ金色だ。
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