あらかじめ断っておきますがメイドマッサージと言ってもよく街頭で日本語の怪しいお姉さんに話しかけられるようシロモノではなく、足裏などのごく普通のマッサージです。ただ従業員が全員女性でメイドさんのコスプレをしているだけです。
チーン(←エレベータが止まった音)
エレベータのドアが開き……。
メイド「おかえりなさいませ、ご主人様」
………は?( ゚д゚)ポカーン
そのセリフを聞いた瞬間、私はドン引き。 しかしこれがメイドの演出というやつでしょうか。「いらっしゃいませ」ではなく「おかえりなさいませ、ご主人様」。
もうメイドの世界は始まっているのです。
どうやら主人(=お客)がメイド(=従業員)のいる屋敷に帰ってきたというシチュエーションらしいです。 "自分の屋敷に帰ってきた"割にはやたら緊張しまくっている主人(←私)がいたりするのですが。
Y地君が予約した内容は足マッサージ30分、腕マッサージ10分というコース。お値段は3,700円ナリ。 実力の程はさておき、マッサージにしてはかなり安い部類に入るのではないかと。
店内(←雑居ビルの一室なのでかなり狭い)には、背広のズボンと腕をまくったサラリーマンがいた。 そいつの鼻の下を伸ばして「ハァ~~~~~~」と、温泉マークを頭の上に浮かばせながら恍惚の表情でマッサージを受けている様子に我々4人は思わず゙;`;:゙;`(;゚;ж;゚; )ブッ
いやはや、いきなり面白いモノを拝見させてもらいました。
初めての客だった私とY地君は簡単なアンケートを書かされ、メンバーズカードを作らされました。この店では1,000円ごとにスタンプが1個押されるというシステムのようです。 ちなみに10個スタンプを貯めるとメイドさんとツーショット写真を撮ってくれるサービスあり。
……これは嬉しいサービスなのか?
という疑問がふと脳裏に浮かんだが、「靴下(500円)をお買い上げ頂くと、メイドが靴下をはかせます」という張り紙を見て、あまり深く考えないようにした。
ちなみにスタンプ20個でマッサージしてくれるメイドを指名できるらしいです。
予約の時間になって私はメイドさんから名前を呼ばれました。 事前の情報ではメイドの格好をしたオバチャンに当たることもあるらしいということだったが、私の名前を呼んだメイドさんはかなり若い女性(本当かどうか知らないが大学生だと言っていた)
リクライニングチェアに座り、まず初めに5分ほど足をフットスパに浸けさせられます。 この5分も実は足マッサージ30分の時間に含まれるのかと思うと少しガッカリです。しかし地域柄ただでさえ風呂に入っていなさそうな得体の知れない連中を相手にするわけだからわからないでもありません。
その後はメイドさんが対面に座り足マッサージや腕マッサージをやってくれます。 他の方はどうか知りませんが、私の相手をしてくれたメイドさんは足を思いっきり開いてマッサージをしてくるので、対面に座っている私はメイドさんの下半身が気になってしょうがなかった。 スカートの下はスパッツであることは知っていましたが、股がパカパカ開かれるたびに「パンツじゃない、これはパンツじゃないんだっ!」と同じフレーズを繰り返しながらもチラチラと視線が目移りしてしまうのは悲しい哉。これも男の性か。 たぶん店員も気付いていたんだろうな………スミマセン
それにしてもこのメイドマッサージ───恐らくマッサージがメインではなくて、メイドさんと会話することがメインなのではないかと思ったぐらい、メイドさんが盛んに話しかけます。 最初に聞いてきた「ポーションは飲みました?」というのを手始めに、基本的に黙っていることはほとんどありません。これは店の基本方針なのかメイドさん個人が単に話好きなのかよくわかりませんが。
私「いえ、飲んだことありません」
糸冬了。
自分はポーションなど飲んだこともありませんがそう答えてしまうと本当に会話が終了してしまうので、そこは日頃仕事をさぼっての情報収集の成果。ポーションには発ガン性物質を含む青一号が使われているとか話を膨らませて語ってやった。
もちろんメイドさんは全て知っているようでした。………ってなんで客の私が気を遣わなければいかんのだ。
そんなことより私にとってポーションの話なんてどうでもいい。 私が知りたいのはメイドマッサージは儲かっているのか。とか、客は1日何人ぐらい来るのか。とか、そういうことを聞きたかったのです。
なんだか思いっきり怪しい客みたいですが。
しかし世のオタクども他の客はメイドさんといったいどんな内容の会話をしているのでしょうか。声優の○○が、とか○○というアニメキャラが……とか、やはり初対面の人間には絶対しないそっち方向の濃い話題ばかりなのだろうか。
メイドさんにそのことを聞いてみると「自分がついて行けない話題をされると困っちゃいますね」という返事。
そりゃそうか。秋葉原のメイドマッサージで働く店員が、全員が全員そんな人間ばかりな訳もなく(中にはいるらしいけど)。
話の方向はひょんなことから店員がこのメイドマッサージで働く前にやっていたアルバイトの話へ。 なんでも芸能関係のパーティ企画をするプロダクションのアルバイトをしていたのだとか。 このジャンルは私には全く未知の世界なので俄然興味が湧いてきて、思わず根掘り葉掘り聞いてしまった。 すると出るわ、出るわ、ブラックトーク。
………とてもメイドと主人が交わす会話とは思えません。
そんなメイドさんとの楽しい会話の中でも、なにかの拍子に会話が途切れることはままあります。 そんなときはメイドさん、ご主人様をじっと見つめてくれます。
( ゚д゚) …………………。
( ゚д゚)
( ゚д゚ )
こっち見んな。
女性に耐性のない人間がこれをやられたら勘違いしちゃうよね。とはヨコヤマ氏の言葉。いや全くです。 よく知らない人間に見つめられるほど気恥ずかしいものはありません。
すると待合室の方から酸素バーを吸引する音が。
メイドさん「あ、常連さんかしら」
体を起こして待合室の方を覗き見ると、これまた典型的なアキバ系廃人の方が………。 どうやらメイドさんに見つめられて勘違いしちゃった人間がまた1人いらっしゃったようです。
そんなこんなでメイドマッサージは終了。 マッサージ終了後はサービスでメイドさんがお茶を持ってきてくれました。
メイドの世界を演出して夢を見させてくれるメイド産業。 しかし会計を支払うためにレジで財布からお金を取り出した瞬間に、見ていた夢は一気に消し飛んで酷い空しさが残るのはなんとかならんのか。
お帰りは当然。
メイド「いってらっしゃいませ。ご主人様」
………なるほど。
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- 冥土の旅(前編)(2006/03/11)
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