「じい」と言っても自ら慰めたり、屋敷勤めの執事のことでもありません。読んで時の如く。
悩み、苦しみ、迷い、戦った3週間。 この間に私の相談に乗ってくれた方々、私の背中を押して下さった方々、本当にありがとうございました。
この日。新たな一歩を踏み出すべく弊社を退職する旨を上司に伝えました。ついに賽は振られました。
退職する決心は固まったものの、いつ伝えるのかというタイミングには迷いました。 まして退職という人生の決断を上司にメール一本で済ますなんてもってのほか。 ここは本気を見せるために上司に直接伝えるしかないと心に秘めていました。
しかしこれまでの人生の中で辞意を伝えたことは一度もありませんでした。経験したアルバイトは全て「○月までしかできません」と期間を提示した上で採用されていましたから。 なので「辞めたい」という意志を表明するのは遅まきながら人生初。
そしていざ実行に移そうとすると、これがなんと難しいことか。意中の異性に告白するようだ。そして言い出したら最後、運命の歯車は回り出してしまいます。 他の社員の前で堂々と宣言するのもどうかと思いますし、なかなか上司とサシで話をする機会なんてそうそうあるものではありません。
本日部長と社員の何人かが夏期休暇。残りの社員も打ち合わせに出掛けたりして、午後は人が少なくなります。辞意を伝えるにはこの時しかないと。
15時。O課長が私の席の側に来たときに、課長と2、3仕事内容について話した後、おもむろに切り出しました。
私「あの……仕事のことで折り入って相談があるので乗ってもらいたいのですが」
O課長「はい、なんでしょう」
私「実は……退職したい……」
O課長「えっ…………!」(←絶句)
「どうやらこっちで話を聞いた方が良さそうだ」と会議ブースへ移動。課長が驚くのも無理はないと思う。 なにせ昨日、一昨日と野球部の合宿で課長と同じ車で移動して、野球して、普通に話をしていた人間が翌日になって退職を申し出ているのだから。
O課長から理由を聞かれた私は全て正直に答えた。以前弊社にいた私の同期が起業して私に声を掛けてくれたので彼の力になりたいと。
会話が途切れた途端に訪れる重苦しい雰囲気。
O課長には私が前の部署の部課長から「いらない」と最後通牒を突きつけられ、鬱病になってどん底にいたとき「うちの部署でやってみないか?」と声を掛けてくれた人の一人。
それから並々ならぬお世話になった人なので、正直申し訳ない気持ちでいっぱいだった。ただO課長は尊敬できる人でも残念ながら会社自体は私の人生の面倒までは見てくれない。
情に囚われては生きていけない。
ただお世話になったから、一番最初に報告しようと考えた。
相談の中で課長も色々と話をしてくれた。
- 今の社長でやることは長くはないと思っている。だからウチら(各部署ごと)で取ってきた顧客を育てている。……ただ結果が出ていないからなぁ。
- 自分も32歳のときに某大手IT企業に転職の話があった。でも新しい環境に移れなかった。
- (私には)あまり負荷をかけないように仕事をやらせていた。でもそれだけじゃいけないと思っている。いつでも(私が)逃げられる位置にあるから。
話の途中で「ウチを辞めて会社を移ろうと思った決めては何?」と聞かれ、
そんなもん給料に決まってんじゃん。
……この言葉が喉のすぐそこまで出掛かっていたが、結局何も答えられなかった。思いつく内容が全てネガティブな内容だったからだ。 給料安いとか、会社に未来を感じないとか、自分の居場所がない気がする………とか、とか。
結局、部長が不在ということもあり「2、3日中にもう一度話をしましょう」ということに。 おそらくこれから慰留(←社員が少ないから)と尋問が始まるのだろう。ここ2,3日はそのための作戦を練る期間なのかもしれない。
退職の意志をどこまで押し通せるか。賽は振られたばかり。まだまだ山頂は険しそうです。簡単ながらここに報告致します。
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