第2回 インストール前の準備
サーバのスペック、ネットワーク環境
サーバにDebian GNU/Linuxをインストールする前に、このサーバのスペック(性能)やネットワーク環境についてです。こんなショボイ性能でも十分動きますってことで。
マシンスペック
種類 | メーカー・型番 | コメントなど |
---|---|---|
CPU | Embedded VIA Processor | 知る人ぞ知るCPU。周波数は600MHzあるらしいんだけど、実際はCeleron 300MHzと同じぐらいの性能というウワサ。マザーボードとセットになっています。ちなみに筆者のやつは1次キャッシュが128KBで、2次キャッシュは64KB。 |
マザーボード | VIA EPIA Mini-ITX | 大きさが17cm×17cmというミニサイズ。ファンが1つもないのもお気に入りです。しかも消費電力は6Wというエコなヤツ。小電力、小スペース、低性能と3拍子揃ってます。 |
メモリ | PC133 SDRAM 256MB | Pentium2の頃はこれが主流だったのに…(遠い目)。ま、こんなもんで十分でしょ。 |
ハードディスク | 日立IBM 2.5インチ60GB | ノート用のハードディスク。奮発して60GBのを買っちゃった。 |
グラフィック | Integrated Trident Blade 3D graphics core | マザーボードにくっついているのでよくわかりません。一つ言えるのは性能を期待しちゃダメってこと。 |
サウンド | VT1612A AC'97 Codec | これもマザーボードにくっついているヤツ。 |
LAN | VIA VT6103 Ethernet PHY 10/100Mb | これもマザーボードに……って結局全部かよ。 |
ドライブ | なし | インストールの時には必要ですが。 |
VIA Edenなんて聞いたこともないYO!だいたい普通の人はPentiumとかCeleronとかAthlon使っているんじゃないの?これじゃちっとも参考にならネーヨ。とお怒りを頂戴しそうですが、マシンの違いによってDebianのインストールとか各ソフトの設定がそんなに変わるものでもありません。
ちなみに今までサーバとして働いてくれ、今回退役になるマシンは………。
種類 | メーカー・型番 | コメントなど |
---|---|---|
CPU | Pentium2 350MHz | 当時は高かったのにね。 |
マザーボード | ASUS 440BX | 購入して早8年以上。故障知らずの名製品。 |
メモリ | PC133 SDRAM 128MB | 買ったときは13,000円もしたのに……。 |
ハードディスク | 色々なメーカーの40GB+30GB+13GB+4GB | 家にあったのをかき集めたり、知人からもらったり。 |
グラフィック | nVIDIA RIVA TNT | ナニソレ?というぐらい古いビデオカード。 |
サウンド | 忘れた | 秋葉原で1,000円ぐらいで買ってきたような気が。 |
LAN | コレガの10/100Mb | 安かったから。 |
ドライブ | MITSUMI 32倍速 CD-ROM | 読むだけで書き込めません。 |
超人気ホームページやブログを運営するのでしたら、この性能では物足りないかもしれませんが、普通のサーバ用途だとこんな性能で十分じゃないでしょうか。
粗大ゴミ寸前のボロいマシンでもモーマンタイ。それがLinuxの魅力でもあります。
ネットワーク環境
やっぱりADSLかCATV以上は欲しいところです。ちなみに筆者のところはこんな感じです(fig 1.1)。
インターネット環境はADSL。ブロードバンドルータの内側にWindows機などがぶら下がっています。もちろんこのサーバもルータにぶら下がっています。サーバも含めて各マシンのIPアドレスはルータからDHCPで取得しています。
ADSLなどでインターネットを使っている家でしたら、ごくごく標準的なネットワーク環境なのではないでしょうか。
こんなポンコツ寸前のマシンとありふれたネットワーク環境で自宅サーバって実現できてしまうのです。
サーバの運営方針
このサーバはかなり低いスペックで稼働していますが、それなりに理由があります。
それはX-Window System(Windowsみたいにマウスを使って操作する画面のこと)を使っていないからです。
X-Windowを使おうとするとそれだけで、そこそこのマシンスペックが必要です。そしてサーバとして24時間稼働しっ放しになるのですから、セキュリティには気を遣わなければなりません。
セキュリティが危うくなる原因にソフトの不具合によるものがあります。これは人間が作っている以上、しょうがないことなのですが使う側にとってみればなるべくそのリスクを減らしたいものです。
リスクを最小限に抑えるためには、導入するソフトの数を減らせばよいということになります。
WindowsやMacOSなどのGUI(Graphical User Interface)に慣れてしまった昨今、X-WindowSystemは大変便利(しかも画面も綺麗だし……)なのですが、極論すればサーバには必要ありません。
ここは涙を呑んで文字表示とキーボード入力のみ(このような操作方法をGUIに対してCUIと言います)でサーバを運営することにしましょう。そしてその方が「なんだか動かしているぞ!」という気分にもなれますし……(←弱い動機付け)。