第2回 インストール前の準備

Debian(sarge)を入手する

Debianをインストールしようにも、Debianがないとインストール出来ません(←当たり前)。

Debianはバージョンによってコードネームが決まっています。Windowsで例えれば、Windows95とかWindows2000とかWindowsXpという感じです。

ちなみに2005年11月03日現在の最新版はDebian GNU/Linux 3.1(sarge)です。どれでも無料で使えますので、どうせなら最新版をインストールすることにしましょう。

余談ですがDebianのコードネームはすべて映画「Toy Story」のキャラクタから名付けられています。sargeは緑色のプラスチック兵隊の軍曹の名前です(「Debian GNU/Linux スレッドテンプレ」-woody、sarge、etch、sidって何?)。え?Toy Storyなんて見たことない?ならばインストール前にレンタルビデオ屋へ今すぐGo!(嘘

CD14枚組……?

Debian GNU/Linux 3.1(sarge)のプログラムを全部ダウンロードしようとすると、CD14枚組にもなります。

さすがにこんなにダウンロードしていては日が暮れてしまいますし、なによりもDebianをインストールしようというヤル気も、ダウンロードの進捗バーの増加と反比例するかの如く減ってしまいます。

実はDebianをインストールするのにCD14枚も必要ありません。必要最低限のプログラムだけCD-Rに書き込んで、後は必要なプログラムをインターネットからダウンロードしながらインストールすれば良いのです。これならCD-Rが1枚あれば事足ります。

ネットワークに優しい方法はjigdoというソフトを使用してのダウンロードなのですが、ここでは最小のCDイメージをダウンロードする方法を紹介します。

最小のCDイメージを取得する

CDイメージはDebian公式サイトの置いてあるので、そこからダウンロードしる!以上。

……ではあまりにも不親切なので、もう少し書きますと

Debian公式サイトからリンクを辿って「最小の CD を使って、ネットワークインストールする」というページに飛びます。その中の"「安定版 (stable)」リリースの公式なネットワークインストール CD のイメージ"という項目のi386と書かれたリンクをクリック(fig 1.4)すればCDイメージのダウンロードができるはずです(ファイル名:debian-31r0a-i386-netinst.iso)。

debian公式サイト
fig 1.4 i386と書かれたリンクをクリック(2005年11月05日現在)

ファイルサイズは100MBちょっとです。

isoイメージをCD-Rに書き込む

ダウンロードが終了したら、ハードディスクに「debian-31r0a-i386-netinst.iso」という名前のファイルが作られていると思います。

これをCD-Rに書き込みます。

ちなみにこのファイルはCDイメージと呼ばれているファイルですので、CD書き込みソフトにドラッグ&ドロップしてただのデータとして書き込んでしまうとまず間違いなく円盤(※書き込み失敗したメディアのこと)を1枚作ってしまいます。CD書き込みソフト別のやり方はこちらを参照すると良いでしょう。

DVD Decrypterを使う

ここでは無料で使える「DVD Decrypter」というソフトを使ってisoイメージファイルをCD-Rに書き込む方法を紹介します。

"DVD"という名前が付いていますが、isoイメージを書き込む分にはCD-Rでも問題ありません(※CDのデータは読み出せません)

ミラーサイトからDVD Decrypterのプログラムをダウンロードしてインストールします。

DVD Decrypterを起動したら、メニューバーの「Mode」→「ISO」と進み、「Write」にチェックを入れます(fig 1.5)。

DVD Decrypter
fig 1.5 DVD Decrypterを使ったCD-Rへの書き込み(1)

続いてSourceと書かれた項目のフォルダアイコンをクリックして、先ほどダウンロードしたisoイメージファイルを選択(fig 1.6中の(1)部分)し、ハードディスクとDVDメディアが書かれたアイコンをクリックして(fig 1.6中の(2)部分)CD-Rメディアへの書き込みを開始します。

DVD Decrypter
fig 1.6 DVD Decrypterを使ったCD-Rへの書き込み(1)

CD-Rへの書き込みが成功すれば、インストールへの準備は整いました。次回からさっそくDebianをインストールすることにしましょう。