大晦日に紅白歌合戦を見て、ゆく年くる年の鐘の音で新年の挨拶を済ませると、
「いよいよ新年だな!」
など、新しい年へ力がみなぎってきます。
ところが元旦の午前中のテレビ番組のつまらなさに辟易し、元日夜のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを見ると、もう平成20年も半分終了。
そして箱根駅伝を見ると、もう1年の9割方終わった気分になります。あとは年末の紅白歌合戦を待つのみ。
もう新春も2日過ぎれば家にいるのにも飽き、「どこか出かけようかな……」という気分になったりします。基本引きこもりなのに。
そこで3日に恒例の初詣に。
戦場の浅草寺へ
Dr.ミズノはなぜか浅草寺がお気に入りのようで、毎年そこに初詣に行っているらしい。
家からは相当遠いけれど、これも縁起物かと彼の初詣につき合うことにしました。
初詣の参加者はDr.ミズノ、Y地氏、S.シンジ、そして自分の4名。
昼の12時に浅草駅で待ち合わせることに。
S.シンジと会うのはちょうど1年ぶり。
あれは忘れもしない去年の1月3日。新年会と称してS.シンジたちに新宿の▽※○(自主規制)に連れて行かれて、挙げ句の果てにはDr.ミズノと2人で置いてけぼりを喰らった苦い経験が。この恨みいつか晴らさでおくべきか……。
そんな風○マスターのS.シンジもパーティーで知り合った年下の彼女と真剣交際の様子。
人間変わるものだねぇ。
そんなこっちの怨念などつゆ知らず、S.シンジは「なんのこと?」と素知らぬ顔。どうやら本当に覚えていないらしい。
「いじめられっ子がいじめられた経験はずっと覚えているけど、いじめた側は何も覚えていないのと同じってことでしょう」
笑いながらY地氏。まったくもってその通りだ。世の中理不尽極まりない。
1月3日とはいえ、さすが日本有数の寺。混雑具合が半端じゃない。
雷門から仲見世通りはもうぎっしりオークの群人の列。
早い話が……。
こんな感じ。
こんな大勢が大挙してお願い事をするのだから、一人あたりの御利益なんてたかがしれているような気がしないでもありませんが……。
欲望の行進に混じって参拝の順番を待つ間、我々3人は彼女と真剣交際のS.シンジに猛爆撃。
……というか、お前ら新春早々、人混みの中で下ネタ連発するのはやめれ。
一番連発してたのはお前だろというツッコミはなしの方向で。
申し訳ない。
例年、賽銭箱の前は阿鼻叫喚で戦場さながらのカオス(※1)が展開されるところが、今年は警視庁の方々が群衆整理をしてくれ特に混乱もなく参拝。国家権力の抑止力は素晴らしい。
(※1)戦場さながらのカオス……人混みを掻き分けて賽銭箱の前に行くと、後ろから銃弾さながら賽銭が飛んでくる恐怖。
一人当たりの御利益などたかが知れている……とは嘯きながら、ここまで来たら何かお願いしたくなるのが日本人。何をお願いしようかと、あれこれと自分の煩悩を数え上げていると横でY地氏。
「……家族が健康で幸せでありますように」
その瞬間、私は自分のことばかり考えていたことに気づいて愕然とした。いつから自分はこのような心の狭い人間になってしまったのだろうか。新春早々、己の利己主義にただただ恥じ入るばかりでした。 慌てて自分も家族の健康をお願いしたことは言うまでもない。
運だめし
お守りも購入し、後はいよいよ毎年恒例の1年の運だめし。
果たして今年1年の運勢は吉とでるか凶とでるか。
100円を納め(※2)、おみくじの棒が入った筒をバーテンダーの如く振りまくります。
(※2)100円を納め……このあたりは参拝者の良心に任されています。
じゃらじゃらじゃら……。ポロッ。
棒が出たかと思いきや、棒は勢いよく筒から飛び出て台の裏の隙間へ。
「…………………………」
縁起でもない。と思いつつ棒を拾い上げ、書かれている番号の引き出しを開けます。
第七十番「凶」
ネタ的にはおいしいものの、さすがに一発目で引くと凹みます。
願望:叶いにくいでしょう。
「浅草寺のおみくじ」
病気:安心出来ないでしょう。
失物:出にくいでしょう。
待ち人:現れないでしょう。
新築・引越:さけましょう。
結婚・旅行・付き合い:万事悪いでしょう。
救いようがないことしか書いていないのですが……。
いくら凶でもこんなこと書くか?ふつう。
このままでは隕石が直撃して死ぬぐらいのバッド・エンドになりそうです。このままでは終われません。 再びおみくじを待つ長い人の列に並び、100円投入。
でやっ
天は我を見捨て……(以下略
こうなったら3度目の正直っ。
凶以外が出るまで、何度でもやってやるぞ。
おりゃっ
末吉……。
ま、凶よりマシか。
「今年1年良いことなさそうだな……」と意気消沈してしまい、とりあえず末吉で満足(※3)することにしました。
(※3)とりあえず末吉で満足……とは言うものの、結婚・付き合いは全てにおいて「悪いでしょう」とはこれ如何に。
ちなみにDr.ミズノ、Y地氏、S.シンジはそれぞれ大吉や吉などを引き、ご満悦の様子。
やはり絶好調な男はおみくじまでも味方につけるらしい。
(つづく)
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