職場の人が以前「八王子ラーメンといえば、タンタンって店がうまいんっすよ」と言っていたのを聞きつけ、いつかは食べに行ってみたいと思っていた。
普段はクソ忙しい現場も、テスト期間となると少しは時間に余裕が出てきます。
そんなテストの日の午後に休暇を取って行って来た。
とりあえず野菜とか鶏ガラとかぶち込んでグツグツ煮てとんこつベースでスープ作っておけばいいだろうぐらいの コテコテこってり系の家系ラーメンが全盛の今、八王子ラーメンは異端な存在かもしれません。
あっさり醤油に刻んだタマネギ、そしてスープの上に浮く油…。
これが八王子ラーメンの定義らしい。
以前職場の人にみんみんに連れて行ってもらい、
八王子ラーメンの良さは知っていたのだが、"タンタン"は"みんみん"の親が切り盛りしているとのこと。つまり本家。
しかし"タンタン"だの"みんみん"だのランランだのカンカンだの知らないが、なぜに店名がタンタンなのか…?
八王子駅南口から歩くこと5分ぐらい。
タンタンは知らないと通り過ぎてしまいそうなほど小さな店だった。
ネットで「常に行列ができている」と書かれていたが、お昼時を過ぎた平日の午後2時。
さすがにちょっとは空いているだろうと思っていたが…店内は満席で外に2人ほど客が並んでいる状態だった。
ちなみにこの店は行列のできるラーメン店にありがちな店員が外にいて注文をあらかじめ取ったり席が空くと誘導して
くれるなどという親切なシステムではない。外に並んでいる客が店内を時折のぞいて、空席を自分で確認するというセルフ方式。
ただ店内は常に満席なので、客が2人出てくれば2人席が空いたというある意味分かりやすいといえば分かりやすいが…。
行ったすぐはずいぶん不親切だと思ったりもしたが、店内に入ってみてその理由がわかった。
店 内 が 狭 す ぎ る。
店内の広さは1ルームの部屋程度。そこに厨房と客席がすべて詰め込まれていた。
客席は全部で12席。カウンターに7席と壁側に5席ぐらいだったか。狭い店内にがたいの大きい客が肩を
寄せ合いながら座ってラーメンを啜っている光景。
ラーメン店というと体格の良いおっさんかお兄さんが「へい!らっしゃい!!」というイメージが勝手にできていたが、
カウンターでは女将さんだろか、中年の女性が黙々とラーメンを作っていた。2人の若い女性アシスタントが会計やら皿を洗っている(狭い厨房で)。
つまり店員が全員女性だった。
店員3人はカウンターから外に出られないので、店内はすべてセルフサービス。
カウンターではない壁側に座っている客はラーメンができるとカウンター席の客の頭上でラーメンを受け取り、食べ終わったら頭上で丼を返却する。
お会計もカウンターだ。レジなどという文明の品物はこの店にはない。
注文は……と。
初めて入るラーメン店はメニューがわからなくて困る。食券を買うシステムがわかりやすいが……こんな狭い店内に食券機を置くスペースは存在しない。
メニューはいたってシンプル。"普通"か"大"か"特大"か、"チャーシューメン(並・大・特)"の6種類。あとは麺の固さを聞かれるぐらいか。
多くの客が「ネギ(タマネギ)多め」を頼んでいた。タマネギの量はサービスなのだろうか……?
チャーシューメンは人気のようで、午後2時過ぎにはもう売り切れていた。
驚くべきはその値段。ラーメン(普通)で480円、特チャーシューメンでも880円ととにかく安い。
ラーメンごときに1,000円とか当たり前のご時勢に480円は安いと思う。採算度外視(*)なのだろうか。
(*)八王子ラーメンは総じて安い気がする。
味は……話に違わずうまかった。
ボキャブラリが貧しいので料理のコメントは苦手だしラーメンの好みは人それぞれだと思うが、個人的にあっさり醤油味は好きなので大満足。
八王子ラーメンは今まで"みんみん"、"吾衛門"、"タンタン"の3店で食べてきた。それぞれの店舗で味は違うのだろうが、 その違いがよくわからない。とにかく「うまい」のカテゴリ(*)に括られてしまう。
(*)考えてみれば不味いラーメンを食べたことがない。
ところで、タイトルがなぜ"幻の八王子ラーメン"なのか。
まずは店の営業時間。
営業時間:11:00~14:30
昼食時限定なのである。それはまぁいい。百歩譲ってその時間に狙って行けばいい。
が、問題なのは休業日。
休業日:土・日・祝日
社畜リーマンはいつ行けと。
食べに行くのも大変な"幻"の店なのである。
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