第14回 都立殿ヶ谷戸庭園
国分寺駅すぐ近くにある庭園です。
「ただのお庭でしょう？」などお思いの方も多いでしょうが、実際行ってみると計算され尽くした景色の調和に驚かされます。
庭ってこんなに美しいのか。
庭園の魅力に改めて気づかされました。
都立殿ヶ谷戸庭園
武蔵野の自然の地形、すなわち段丘の崖にできた谷を巧みに利用した「回遊式林泉庭園」。崖の上の明るい芝生地と崖下の湧水池、 樹林で雰囲気が一変する造園手法がみどころのひとつです。
ここは、大正2年～4年に江口定條（後の満鉄副総裁）の別荘として整備され、昭和4年には三菱財閥の岩崎家の別邸となりました。 昭和40年代の開発計画に対し本庭園を守る住民運動が発端となり、昭和49年に都が買収し、整備後、有料庭園として開園しました。
なお、庭園の名称は、昔この地が国分寺村殿ヶ谷戸という地名であったことに由来します。
東京都公園協会 ウェブサイトより
殿ヶ谷戸庭園入口。国分寺駅南口すぐ近くにあるオアシスです。
入園料を支払い、いよいよ岩崎庭園ワールドへ。
苔の色、樹の幹の色、葉の色……色の調和は季節ごとにさまざまな顔を見せてくれます。
紅葉の始まりかけ。全体の形も見事です。
萩のトンネル。竹柵のカーブも計算されているのだとか。
残念ながら藤の季節ではありませんので、ただのトンネルです。先のカーブを抜けると…
藤棚ベンチで小休憩。藤が咲いていないので残念です。
庭園の敷地の向こう側はすぐ民家。
あいにくの雨でしたが水に濡れた草花も趣があります。
竹林もあります。一つの庭には多彩な風景が造られています。
池が見えてきました。右上の方に見える茶室が紅葉亭。
池には鯉がつきもの。高そうな鯉がのんびり泳いでいました。
池の中に浮島。これぞ風流。
この池の名前。ですが由来は不明という。
茶室「紅葉亭」。客人を招いてお茶会を開いていたようです。
夏は風が吹き抜け気持ちよさそうです。冬は寒いだけですが。
石畳、小川、石橋。侘び・寂びの世界。
小川といえば「鹿おどし」。ですが調整不足なためか音は微妙。
遠近が強調されるように上の方はわざと小さく造ってあります。まさに美。
国分寺は湧き水も豊富なのです。
馬頭観音。庭園の中の目立たないところにひっそりと建っています。
輸送の担い手である馬に感謝の気持ちを。
ぐるっと一周散策してきました。春は芝生が美しそう。
資料館を兼ねている随宜園の入口。岩崎家の歴史を学べます。
額に入れると達筆に見える不思議。
「悲劇の三菱当主」岩崎彦弥太。龍馬伝の人は祖父にあたります。
随宜園から庭の望む。こんな屋敷で生活してみたい……。