第3回 Debian(sarge)のインストール
Debian(sarge)インストール(2)-パーティションの設定(その2)
LVM設定アクション(再)
ボリュームグループ名を設定したのと同じような流れです。今度は「ボリュームグループ(VG)の操作」「論理ボリューム(LV)の操作」「戻る」のうち「論理ボリューム(LV)の操作」を選択します。
論理ボリュームマネージャーの設定アクション
論理ボリュームに対して作成と削除が行えます。まだ論理ボリュームを作成していないので、「論理ボリュームの作成」を選択します。
論理ボリューム名
ここで論理ボリューム名を入力します。ここではスワップ用(fig 2.3の「7.論理 740.2MB xxxxxxx」の部分)の論理ボリュームを作成することにします。
ここでは、
debian_lv_swap
という名前にしました。
新しい論理ボリュームを作成するボリュームグループを選択
先ほど作成した論理ボリューム(LV)をどのボリュームグループ(VG)に所属させるか選択します。作成したボリュームグループ名は"debian_vg"でしたので、「debian_vg (Free:55.64 GB/ size:55.64 GB/ LVs:0/ PVs:6)」「Leave」のなかで「debian_vg」を選択します。
論理ボリュームサイズ
ここで作成した論理ボリュームの容量を決めます。いくら後から自由に増減可能とは言っても、/usrや/var、/homeなど、それぞれのディレクトリがどのくらい容量を使うのか目安がわからないと検討すらつきません。って言うかその前に/usrとか/varって何?
/usrとか/varの設定と説明は後ですることにして、とりあえずここではスワップ用の論理ボリュームのサイズを決めます。
スワップというのはハードディスク上にあるメモリ領域のことです。各ソフトをジャンジャン動かしていてメモリが足りなくなると、Linuxはスワップをメモリ代わりに使うことでメモリ不足を補っています(Windowsで言えば仮想メモリ)。
スワップの容量は"メモリと同じぐらいかメモリの倍ぐらい用意する"という定説がありました。しかしこれはメモリが32MBや64MBの時代の頃の話しで、メモリを湯水の如く使える現在、こんなに必要なのかどうかは微妙な所です。
パーティショニング計画画面(fig 2.3)では740.2MB確保するように設定されていますが、さすがにこんなには必要ないかと。しかしこのサーバは256MBと微妙な容量のメモリを載せていますので、スワップの容量はメモリと同じぐらい確保するようにします。
250MB
スワップ以外の他のディレクトリも同じようにして論理ボリュームを設定します。
論理ボリュームの設定一覧
先ほどは例としてスワップの論理ボリューム(LV)を設定しましたが、パーティショニング計画画面(fig 2.3)の他のディレクトリも論理ボリュームを設定します。
このサーバでは次のような論理ボリュームの設定を行いました。
用途 | 論理ボリューム名 | 所属ボリュームグループ | 論理ボリュームサイズ | コメント |
---|---|---|---|---|
スワップ用 | debian_lv_swap | debian_vg | 250MB | 仮想メモリ用の領域 |
/tmp用 | debian_lv_tmp | debian_vg | 60MB | プログラムが使用する一時データ |
/usr用 | debian_lv_usr | debian_vg | 6GB | 独自にインストールしたソフトや、ライブラリ、ヘルプなどの文章ファイルを格納 |
/var用 | debian_lv_var | debian_vg | 500MB | 動作ログ、データベース、などで使用する |
/home用 | debian_lv_home | debian_vg | 48.82G(残り全部) | 各ユーザがあんな動画やこんな画像やそんなデータ……ウホッ。などを置くディレクトリ |
/tmp、/usrなど各ディレクトリの詳しい用途や必要なサイズに関する詳しい説明は、「B.2. ディレクトリツリー(Debianインストールマニュアル)」を参照下さい。
Debian(sarge)インストール(2)-パーティションの設定(その3)
ここまでで"各パーティションをLVMで使うようにする"、"ボリュームグループの設定"、"論理ボリュームの設定"をやりました。論理ボリュームの設定後にパーティショニング計画画面に戻ってみると下のよう(fig 2.5)になっていると思います。
「5.論理 xxxxxx」~「9.論理 xxxxxx」までのパーティションをLVMで管理し、設定した論理ボリューム(LV)の情報が表示されています。
しかしこの状態では、それぞれの論理ボリュームは定義しただけで利用しない設定になっているので、これらの論理ボリュームを利用するよう設定を変更します。
LVM設定後のパーティショニング計画画面(fig 2.5)で「LVM VG debian_vg, LV debian_lv_home - 52.4GB Unknown」の下にある「1. 52.4GB」を選択します。
パーティションの利用方法
「利用方法:利用しない」「サイズ:52.4GB」の項目のうち「利用方法:」を選択します。
利用方法として「ext3 ジャーナリングファイルシステム」「ext2ファイルシステム」「ReiserFSジャーナリングファイルシステム」………などなどたくさん選択肢がありますが、その中から「XFSジャーナリングファイルシステム」を選択します。
このファイルシステムはLVMと組み合わせて使うと、とても便利になるらしい………(←よくわかってない)。
ま、便利らしいので選んでおいて損はないと思います。
前画面(パーティション設定)に戻ってみると、先ほどは「利用方法」と「サイズ」しか項目がありませんでしたが、なにやら増えています。それらの設定項目の中から「マウントポイント:」を選択します。
このパーティションのマウントポイント
LVM設定後のパーティショニング計画画面(fig 2.5)で選択した52.4GBの論理ボリューム(LV)は、/home用として使うことを考えていましたので、homeディレクトリとして使うように設定します。
「/ -ルートファイルシステム」「/boot - ブートローダの静的ファイル」「/home - ユーザのホームディレクトリ」……などの選択肢の中から「/home - ユーザのホームディレクトリ」を選択します。
前画面(パーティション設定画面)に戻ったら、「利用方法:」が"XFSジャーナリングシステム"に、「マウントポイント:」が"/home"になっていることを確認して「このパーティションのセットアップを終了」でLVM設定後のパーティショニング計画画面(fig 2.5)に戻ります。
他の論理ボリュームも同じように設定します。このサーバで設定した内容は次のように設定しました。
論理ボリューム名 | 利用方法 | マウントポイント |
---|---|---|
debian_lv_home | XFSジャーナリングシステム | /home - ユーザのホームディレクトリ |
debian_lv_swap | スワップ領域 | (設定なし) |
debian_lv_tmp | XFSジャーナリングシステム | /tmp - テンポラリファイル |
debian_lv_usr | XFSジャーナリングシステム | /usr - 静的データ |
debian_lv_var | XFSジャーナリングシステム | /var - 可変データ |
全ての論理ボリュームの利用方法の設定が終了したら、これでようやくパーティションの設定は終了です。やったぁ~。
LVM設定後のパーティショニング計画画面(fig 2.5)にある「パーティショニングの終了とディスクへの変更の書き込み」を選択して、次のステップへ進みます。