高校時代からの友人K。
結婚式に呼ばれて行ったら、知り合いが誰もいなかった。
友人の結婚式に呼ばれた記録、後編。
神への誓い
午後1時。会場となる教会へ通された。
いよいよ式の始まりだ。
生演奏はもちろんのこと、歌も生コーラスなのに感心する。
と同時に音楽で飯を食っていこうと考えている人間にとってはこういう場所で給料を稼がねばならない厳しい現実があることを思い出した。
それはさておき。
コーラスに乗って 後ろ扉が開き花嫁と神妙な顔をした父親が入場してきた。
やはりどこの国でも花嫁を知らぬ男に奪い去られる父親の気持ちは複雑なのだろう。
そして神父登場。
この神父が本物なのか単なるアルバイトなのかは不明である。彼は本当は日本語ベラベラなのだろうが、片言の日本語で賛美歌を歌うことと、夫婦の誓いを行うことを告げた。
賛美歌。
当然知らぬ。口パクでやりすごす。
夫婦の誓い。
いきなりクライマックス。
ドラマでもありがちな「あなたは○○を生涯云々・・・」というやつ。
長いつき合いである友人K。
彼のことだから きっと入口の扉が突然開いて「Kは私のものよ!」と絶叫する昔の彼女とか、
「あなたは○○を生涯の妻として誓いますか?」の問いに「そんなこと誓えるわけねぇじゃねーか、バーカ」と答える神サプライズを用意してくれるとばかり思っていた。
が、残念ながら普通に誓い終了。
式は1時間ほどで終了。
夫婦の誓いは役所に届ける紙切れ1枚で事足りるが、こういう儀式も大切だ。
バイリンガル披露宴
国際結婚の披露宴は、なかなか体験できないものがある。
新郎側の親族・友人と新婦側の親族・友人で言語が違うので進行も通訳付き。
新郎「みなさま。本日はお忙しい中、お集まり頂きましてありがとうございます」
通訳「~~~~~~~~~~~~~~~」
万事がこの調子。
通訳がしゃべる分には全然問題ないのだが、日本では披露宴の最中にはかけ声に合わせて一斉に何かをする作業がある。
一つは乾杯。
しかし通訳が入るとタイミングが難しい。
新郎の父「・・・(前の挨拶)・・・。2人の前途を祝して乾杯!」
新郎側の親族・友人「乾ぱi・・・」
新婦側の親族・友人 ( ゚д゚)ポカーン
通訳「~~~~~~~~~~~」
こんな感じで見事にタイミングを外された。
ピアノ発表会
披露宴といえばやはり出し物と演出。笑えるものから泣けるものまで、よくぞ色々と思いつくものだ。
新婦の家が資産家かどうかわからないが、親族か親戚の女の子たちがピアノとバイオリンを習っているらしい。
トップバッターは妹(4歳ぐらい?)によるバイオリンの演奏。
たどたどしい演奏だったものの、しっかり音も出ているし、衆人環境で演奏できる度胸がすごい。
1曲演奏し拍手喝采。
続いては姉(6~7歳ぐらい?)によるピアノの演奏。
なかなかしっかりした演奏。1曲演奏し拍手喝采。
2曲目も演奏。拍手喝采。
続いて3曲目。
・・・・・・いつまで続くんだこれ?。
さらに4曲目。
いったい いつになったら終わるんだ。ヽ(#`Д´)ノ プンスカ
ジャイアンリサイタルか?
新婦側の出席者は拍手喝采だったが。
友人の子どもの運動会やらお遊戯会やら発表会の映像を延々と見せられる気持ちが理解できた。
2人の未来は2人で築く
宴も終わりに近づき。
いよいよ締めである新郎・新婦からのお礼の言葉となった。
新郎Kの父は、はじめて(結婚するという)話を聞いたときは、正直驚いたし戸惑った。と心境を吐露。
それはそうだろう。
恋愛は2人だが、結婚となると家の関係になる。
同じ国同士ですら揉めるというのに、異国ともなればなおさらだ。しかしそれを乗り越えて、2人の結婚を快く了承した新郎・新婦の両親の心の広さに感動した。
そして新郎Kから新婦側両親へのお礼の言葉。
挨拶の冒頭に彼が発した言葉。
「ここからは通訳は結構です」
彼はポケットから紙を取り出し、嫁の国の言葉でお礼を述べた。
何を行っているのか理解できなかったけど。
発する言葉はとても辿々しく感じたけど。
気持ちは確かに伝わった。
聞けば付き合っている頃から語学スクール(※1)に通って熱心に勉強しているのだという。
(※1)語学スクール・・・ちなみに嫁は日本語が堪能。
やはり友人Kは彼女のことが、彼女の国が好きなのだな。
長い人生。数え切れないほどの困難が待っているかもしれないが、Kと嫁なら必ず乗り越えられる。2人の未来は2人で築くもの。このとき確信した。
お幸せに!
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