温泉にマタ~リ浸かっていた我々は、ここで困った問題に直面しました。
……どうやって温泉からあがるのか。
難題です。
温泉に浸かってから30分以上は経過していますが、温泉全体が基本的にぬるくとても
あったまった状態とは言い難い。
しかも一歩温泉から立ち上がれば思わず身震いする極寒の地。
温泉から上がる→体を拭く→浴衣を着る→宿に走る
この中にどこか省ける工程なんてありましょうか、いやない。(反語)
さらに困ったことに外は漆黒の闇。
頼みの綱は宿から借りた懐中電灯1本。
自分たちの荷物がどこにあるのかさえ、よくわからない状況。
こうなったら、とりあえず突撃です。
3…2…1……GO!!
一気に走ろうとした途端、底のぬめったコケに足を取られてこけました。
なんとかお湯から上がって、ほぼ手探りでタオルをゲット。
素早く体を拭きます。
……たぶんほとんど拭けていないんだろうけど、丁寧に拭いている余裕なんてありません。
即座に浴衣に腕を通します。
しかし中途半端についた水滴と吹く風のせいでうまく着られません。
うぉ~~っ、冷えーる!!。
なんとか浴衣を着て、とりあえず宿に向かってダッシュ。
足下は雪がガチガチに凍った道。
少しでも気を抜くと転ぶことは言うまでもありません。
しかも唯一の懐中電灯を持っているミズノ氏は一人で自分の足下を照らして、スタスタと
先に行ってしまうではないか。
「うわっ!」「何も見えねぇ」とか怒号やら悲鳴やら飛び交う中で、我々は一瞬だが懐中
電灯が照らす先にその光景を見たのです。
危険な雪道の先に私は見た
バスタオル一枚のあられもない若い女性を。
(その横に男(彼氏?)がいたような気がするが眼中になし)
ここは引き返して、温泉に再び入り直すべきなのでしょうか。
残念ながら我々にはそんな気力は残されていませんでした……_| ̄|〇
飛び込むように内風呂に飛び込み体を温め、その日は就寝。
夕食時の意気込みはどこへやら。
尻焼温泉……素人にはお勧めできない
翌日。
午前10時に草津スキー場に到着。
ヤマナカさんは「仕事が残っているから」と言って、近くの温泉で仕事。
こんなクソ忙しい時に、引っ張ってきて挙げ句の果てに運転手をやらせてしまい、本当に
すみませんでした。
心の中でヤマナカさんに詫びつつ、我々は草津スキー場へ挑みます。
休日は今日までなので、帰るためには最悪でも15時には出発することに。
最後に温泉に入る時間を考慮したら、昼食抜きで滑られる時間は4時間ちょっと。
ここでミズノ氏は無謀な目標を掲げます。
草津スキー場全コース制覇(4時間で)
………当然休憩はなしです。(´・ω・`)
実はこの日は、山頂強風のためゴンドラは運転中止になっているとのこと。
ゴンドラが動かないと、山頂には行けず麓でちびちび滑るしかないわけです。
この瞬間、我々2人のヤル気は一気に低空飛行。
山の麓はコースが少なく、1時間ほどであっという間に全コース制覇。
午前中だけで切り上げて早く帰るか?
そんな雰囲気さえ漂い始めていた中、
ミズノ氏「今から山頂まで歩いて逝きましょう」
私「よーし、登るか」
ということで。
1時間ほどかけて山頂にアタックし、誰もいない山頂で我々の映像を撮ってヤマナカさん
に見せるということに。
山頂へれっつごー
最初は意気揚々だった自分も、5分も歩かないうちに早くもバテバテに。
(´-`).。oO(どう考えても無謀だよなぁ……)
しかし、天は我々を見捨てなかった。
山頂アタックを開始して10分程したころに、スキー場内にアナウンスが流れたのです。
「これよりゴンドラの運行を開始致します」
ゴンドラキタ━━━━(゜∀(゜∀゜(゜∀゜)゜∀゜)∀゜)━━━━ッ!!
早くゴンドラに乗れば、人が少ないの山頂で滑りたい放題。
そして山頂付近のリフトは当然ガラガラ。
徒歩で山頂を目指すなんてアホな計画は即刻中止です。
ゴンドラ乗り場に向かって猛然とダッシュ。
人間誰もが考えることは同じらしく、みんなゴンドラ乗り場に殺到してきます。
ゴンドラに殺到する人たち
満員のゴンドラに揺られ、一路山頂を目指しました。
ゴンドラから見える山頂への道はどこまでも遠く果てしなく続いていました。
……我々2人はこの道を徒歩で逝こうと試みていたのですが。
本当にゴンドラが動いて良かった。色々な意味で。
強風に吹き飛ばされて雪がない山
……確かにこの風では、ゴンドラも停まります。
山頂に到着。
ここからは後続の人間が到着して混むまで、時間ある限りひたすらマッハのスピードで滑
ります。
ひたすら滑り、またゴンドラに乗る。
以降のその繰り返し…。
14時20分。
(ゴンドラ・リフトで行けるところの)全コース制覇。
ヤマナカさんとの待ち合わせの時間は15時。
麓に下りた時、時間は既に14時40分。
風呂に入っている時間はほとんどありません。
でも我々は風呂に入る!なんとしてでも入るっ!
湯船に浸かった時間は約3分。
マッハのスピードで風呂から上がった我々は(←全然風呂に入った気がしなかった)約束
の15時にヤマナカさんと合流し、東京への帰路についたのでした。