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■皇紀二千六百六十五(平成17)年 文月


■過去の日誌



■レポート⑤:その一瞬が儚なくて美しい

持ってきた酒とお菓子を肴に4人でたわいもない会話をした。
"たわいもない"と書いたのは、何を話したかほとんど記憶に残っていないからだ。

サカモト氏とチヒョンとジアンは知り合いだが、私とは初対面。
会話が弾まないこと、弾まないこと。
私も何を話して良いか判らないから、完全に蚊帳の外だった。
(後でサカモト氏に「もっと積極的に会話しないと」とたしなめられた)

ところで、
事前に得た情報によると、この近辺は18時から交通規制があり一般車両は通行禁止になる
らしい。
情報屋(=Webサイトのこと)からのリークによれば交通規制が始まれば道路で花火が見られ
るので場所取りも楽でした。とあったので、どのような状況で交通規制が行われるのか、
気になっていた。

18時も近くなる頃、警官が規制用のコーンを置き始めた。
別の警官が拡声器で18時になったらセンターラインまで出てきても良いという内容のこと
を喋りながら歩く。

これが交通規制か。
戦場さながらの場所取り合戦が繰り広げられるのだろう。
そしてこれが今回の私の仕事の最終仕上げ。

周囲を見渡すと、花火合コン(?)らしい大学生など酒に話に興じていて動く気配なし。
みんな動く気はないのか?
訝しげに思いながらも、女の子たちに事情を説明して隠密裏に移動の準備を始める。
出来るだけ身軽に、出来るだけ静かに。

5分前。
先程まで目の前をビュンビュン走り抜けていた車が来なくなった。
いよいよ......か。

18時。
警官が拡声器で何か言葉を発した瞬間。

ダッシュ!!

と思った刹那、周囲も一斉に走り出した。
やはり誰もが知っていたのだ。
そして誰もが構えていたのだ。
(花火合コン(?)らしい大学生の集団は気付いてなかった)
なんて姑息な奴らだ(←オマエモナー)

しかし我々が一瞬スタートが早かったのとサカモト氏の頑張りのおかげで、なんとかセン
ターライン最前列に陣取ることが出来た。

交通規制後の道路
△センターラインまで陣取る

警官「・・・まだ車が通りま~す。歩道まで下がってくださ~い!!」

はい、フライング。
けれどもう既成事実を作ってしまったものはしょうがない。
警官の声に従うものは誰もいませんでした。

ちなみにレポート④で報告したバカップルはどこか行ったきり帰ってきていなかった。

ざ ま ぁ み ろ。

18時15分。
突然の大音響が暗闇に轟いた。
そして一瞬遅れて大歓声と拍手。

隅田川花火大会は19時10分からですが、それまでは「開始合図 雷」として1時間ほどか
けて約100発(第2会場と合わせると約200発)ほど打ち上がります。
時報代わりといったところでしょうか。

19時10分。
いよいよ第28回隅田川花火大会が幕を開けました。
美しい花火が次々と夜空に大輪の花を咲かせます。
この力強さ。この美しさ。
隅田川に限らず花火を見に行った人ならきっとわかってもらえるはず。

大きな花火やスターマインが打ち上がるたびに大歓声と満場の拍手。
素晴らしい花火を見たら必ず拍手を送ろう。
きっとこの声援は花火師たちにも届くはず。

一方私は花火を写真に納めようと一生懸命シャッターを切ったが、慣れないデジカメの
ためになかなか上手く撮影できず。
しかも場所取りのために歩きながらくだらない写真ばっかり撮っていたので、肝心な所で
バッテリー切れ。

・・・しょっぴかれるオバちゃんなんて撮影するんじゃなかった。

隅田川の花火
△唯一まともに写っていた花火も木に邪魔された

花火はカメラにではなく目に焼き付けるものなのだと。
花火は一瞬で終わるから美しいのだと。
そして、その一瞬こそが儚なくて美しい。

そう考え自分を慰めることにした(←本当は写真撮りたかった)

その代わりバッテリーの持つ限り動画を撮影してきました。
花火大会に行けなかった方はこの動画で隅田川の雰囲気を味わって下さい。

△花火①
△花火②
△花火③
△花火④

しかしさすがに場所が悪かったか。
当初の予想通り低く上がる花火は木々に邪魔されて、ほとんど見られなかった。
このことがサカモト氏と女の子達にえらく不評で。
「(この場所は)失敗だった」とまでの有り難いお言葉まで頂戴した。

初めての隅田川で、
さらに第1会場の近くに陣取れて、
しかも座って見ることができて、
いったい何が悪かったのだろうか。

さらに女の子のうちの1人が尻が痛くなったのか、それとも疲れたのか、あるいは飽きた
のか知らないが、途中から花火を見なくなったし。
もう腹立たしいやら悲しいやら。
これまでの努力はいったい何だったのだろうか。

頑張った俺(´・ω・)カワイソス

ラストにスターマイン大放出で第28回隅田川花火大会は無事終了。
花火が終われば、もはやここに用はない。
早速、撤収あるのみ。

しかし100万人が集結する日本一の花火大会。
その未曾有の人間が一斉に数個所しかない交通機関に殺到するのだから、どのような恐ろ
しい光景が展開されるのか想像に難くない。

広い通りを埋めつくす程の人間がぞろぞろと同じ方向に向かって歩く光景は、この間見に
行ったS.スピルバーグの「宇宙戦争」を思い起こさせた。

なんども道を間違えそうになったが、ようやくスタート地点の吾妻橋に辿り着く。
橋を渡っているときに警備にあたっていた婦警さんが、

「花火大会にお越しの皆さん。特にカップルの彼氏の方は今日の花火大会で彼女のハート
をしっかりキャッチしたと思っているかもしれません。
しかしこの後が大切です」

「今、浅草駅は大変混雑しています。地下鉄に乗るのに20分以上かかります。待ちくたび
れて会話も途切れがち。せっかくの2人の仲も冷めてしまいます」

「そんな時、上野駅まで歩いてみてはいかがでしょうか。上野駅へはここからまっすぐの
方向におよそ20分程で着きます。同じ20分なら歩きながら花火の感想を語り合ってみては
どうでしょう」(うろ覚えだけどだいたいこんな感じ)

など放送していて、付近の人間思わずニヤケ顔。
警視庁もなかなかやるな。

私は最寄り駅で即座にオサラバしたかったが、女の子たちが「お腹が空いたからどこか近
くで食べていきたい
」とか言い出し呆然とした。
この人混みを見ろ。
日本の人口の約0.1%が集まっているんだぞ。
常識で考えろ。
……何ふざけたことを抜かしているんだ。

浅草界隈での食事はとても不可能と思われたので、地下鉄で上野駅まで出てそこで探すこ
とにした。花火終了後およそ1時間が経過していたが地下鉄は殺人的な混みようだった。

上野駅に着いたものの、上野駅周辺の飲食店もどこも満席。
なんとかフ○ースト○ッチンに4人分の席を見つけ腰を落ち着かせたものの、そこで糞ま
ずいピザと油ぎったポテトを食わされ吐きそうになった。
ファー○トキッ○ンは客にこんな粗悪品を食わせるのか。
さらにキレそうになった。

最後にフォローしておくと、
まずいピザにキレそうになりながらも彼女たちと少し話してみて、彼女たちもなかなか良
い人ではないかと認識を新たにしたのだった・・・。

以上が私の第28回隅田川花火大会の体験レポートです。
来年以降、隅田川にチャレンジしようと考えている皆さん。
この記事を参考にして、よりよい成功を収めて下さい。
・・・参考にならないかもしれませんけど。

(了)




■レポート④:チョマゴリ着てたら俺は帰る

とりあえず拠点を設営したものの、花火開始までの時間は長い。
そしてどうにも暇なのである。
ビニールシートの上に寝っ転がったり、歩道を歩く浴衣姿の女性を鑑賞したり、日記に
このことをどうやって書いてやろうか考えたり、ただ適当に時間を潰す。

拠点を設営したときには他にもスペースが合ったものの、20分程で周囲は全て埋まりそう
な勢いだった。
ふと周囲を見回した。

拠点の周囲には女子大生と思わしき集団や、浴衣姿のカップルが密集していた。
ここは椅子などなくただの地面。
そして日が落ちてきたとはいえ、このうだるような暑さ。
さらに祭り特有の開放的な雰囲気。

任意の方向にふと視線を向けるだけで「むっ黒かっ!!」「おっピンクじゃん!!」
なんと無料で拝観できてしまうのである。


・・・花火の前にこっちの花びは満開のようだ(←最低)


わざわざ(←ここ重要)準備をしてきただけでなく、さらに場所取りまでやってあげている
のだからこれぐらいは役得だろう。
美しいものに目がいってしまうのは、人類学の見地からも当然のことだ。
写真がないのが残念だが。

その時、サカモト氏から親愛なる隣国の方々と合流したと入電があった。
時間を見ると17時10分。
サカモト氏はあの地獄のような蒸し暑い浅草駅の改札前で1時間以上も耐えていたのだ。
彼の忍耐力の強さには本当に頭が下がる。
自分だったら間違いなく戦線離脱していた。

しかしNTTドコモは繋がるらしい。
きっと過去の反省を踏まえて中継車をガンガン呼んだのだろう。
さすがドコモ、偉すぎ。

「ここ座ろっか」
「うん」

”ちょっと休憩していこうか”的な会話が聞こえてきたので、声の方向に視線を向けた。
そこには浴衣(♀)とジンベエ(♂)が我が拠点のすぐ隣に座ろうとしていた。
見ると女の子の方は結構若い。
私の年齢算出高速演算アルゴリズムによれば、18~22といったところか。
(男の方は当然記憶にない。女の子と同年代という気がしないでもないが)
しかも結構可愛いかった。

なぜだかよくわからないが、
私は猛烈に腹が立ってきた。

ばかっぷる反対!!
バカップル反対っ!!!

私の心が"団結"と書かれた鉢巻きを締めて、シュプレヒコールを上げていた。

男「なんか食べ物買ってくるよ」
女「え~ヤダぁ~~~」
男「でもお腹空いたでしょ?」
女「うん......」
男「じゃぁさ、一緒に買いに行こうか」
女「え~~ヤダぁ~~~」

なぜだかよくわからないが、
私は強烈にロケットランチャーをぶっ放したくなった。

そのバカップルは見ていて腹だたしい微笑ましいラブラブな押し問答の末、結局2人で食
料を買ってくることになったらしい。
申し訳程度の敷き物(タオル?)に飲みかけのペットボトルを置き石代わりにどこかへ去っ
てしまった。
私は強風でこの敷き物が、時空の彼方へ飛び去ってしまうことを切に願った。

再びビニールシートに寝っ転がりながら、まだ見ぬ親愛なる隣国の方々の事を考えた。
彼女らは通っている日本語学校で「日本で一番有名な花火大会は隅田川」との情報を得て、
今回来ることになった。
いったいどんな服装で来るのだろうか。
途中の電車の中でサカモト氏と話したことがあった。
日本の民族衣装"浴衣"なのだろうか。
さすがにそれはありえないか。
しかし日本語学校で「日本の女性は"浴衣"を着て花火大会を見に行く」と吹き込まれた可
能性は十分にある。
もし何か勘違いしてかの国の民族衣装"チョマゴリ"を着てきたらどうする。
問題ない。
その時は回れ右して速攻で帰る。

その時、歩道を歩くサカモト氏の姿が見えた。
そして女の子2人は私服だった(←当たり前)
まさか再び合流できるとは.......まさにドコモ様々。

「えーっと、初めまして。tailupです」
ぎこちなく自己紹介をする。
サカモト氏は2人のうち1人は日本語がほとんど話せないと言っていたが、どうしてなか
なか2人とも話せるじゃないか。

しかしアレか?
「おくれてゴメン」の一言はないんですか。
テリーマンだってキン肉マンにちゃんと謝ったんですよ。
日本にはたくさん謝罪と賠償を要求する割にはないんですか、そうですか。

一瞬ムッとしたが、花火と浴衣以外はどうでもよかったので何も言わなかった。
初対面でこんなこと言うのも何だし、サカモト氏には謝っただろうし。

紆余曲折あったもののこれでなんとか全員揃った。
しかしまだ場所取りの最終仕上げが残っていた。

(つづく)




■レポート③:ここから本当に見えるのか?

地下鉄の改札から地上に出たら驚いた。

そこは人で埋め尽くされていた

吾妻橋の台東区側は既に車道へ溢れんばかりの人・人・人。
まだ16時過ぎなのになんということだ。これが隅田川か。
人間の密集と熱気でそれこそ機関銃を乱射したくなる衝動に駆られた。

ふはははははははっ!!見ろ!人がゴミのようだっ!!

・・・こんなにイライラしているのも貴奴らのせいだ。

神谷バー付近の人ごみ 地図
△神谷バー付近は人間の海だった(16時10分)
△撮影場所

台東区側で花火を見るのは、やはり不可能だった。
私は当初の予定通り、吾妻橋を渡り墨田区側に移動することにした。
吾妻橋を渡りアサヒビールビル(通称:う○こビル)の脇から土手沿いに歩き、白髭橋を
目指すというのがサカモト氏との作戦会議の結論だったからだ。

吾妻橋の途中から第1会場の方向を望むと、花火のための船団が集結しつつあった。
その光景はこれから壇ノ浦の合戦でも始まるのではないかと思わせた。

吾妻橋からの眺め 地図
△花火の船団が集結する(16時13分)
△撮影場所

橋を無事に渡り終えはしたものの、通称うん○ビルの脇の道は封鎖されていた。
私は迂回を余儀なくされた。
それでも台東区側より人が明らかに少ないのは幸いした。

まだ電話が使えるうちに要所要所でサカモト氏に現在位置情報をメールで送ることにし
た。これで回線がパンクして連絡が取れなくなっても、位置情報からある程度の場所は
推測してくれるはずだ。
まるで富士の樹海に分け入るような気分だ。

途中でワゴンに氷水で浸されたビールがぼったくりのような値段で売られていた。
しかしこれらの商売は勝手に出来ないようで、途中で準備委員会らしき人に強制退去さ
せられているおばちゃんがいた。

強制退去させられるおばちゃん
△強制退去させられるおばちゃん(16時20分)

迂回してしばらく歩くと再び川沿いの道に出た。
さすがに道路の川側の歩道は場所取りで埋め尽くされていた。
この場所は2日前とか前日とかに場所取りで取られているかもしれない。
しかしひょっとしたらあともう1~2時間早く着いていれば、まだスペースはあったかも
しれない。

少し場所は悪くなるが、道路を渡って川とは反対側の歩道を歩くことにした。

場所取り完了 地図
△川側の歩道はすでに予約済み(16時23分)
△撮影場所

反対側の歩道はまだスペースが残っていた。
しかしそれも時間の問題。
絶景ポイントを先に見つけられるか、先に場所を取られるのか。
まさに生か死か。
殺るか殺られるか。
これぞデッドオアアライブ。

ここで弊社の後輩から「浴衣キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」という写メールが。
実は彼も弊社の女性社員たちと花火を見に来ていた。
そのメインはなんと言っても、弊社で只一人の20代前半の女性でありながら"将来は田○
陽子先生目指してます"という思想の持ち主(俗っぽく言えば、女捨ててます)であるY
嬢が、彼女の友人(♀)に説得されて"人生初"の浴衣を着てくるというのだ。

そんな美味しい話があったにもかかわらず、私はサカモト氏の方に荷担した。
荷担した理由は色々あったのだが、私は愛(=Y嬢の友人と知り合いになること)より友
情(=サカモト氏)を選択した。

しかしこの写メールが来た瞬間私の考えは変わった。


やはり韓○人より日本人なのだと。


私はここで斥候の任務を放棄して逃亡し、別働隊と合流したくなった。
けれどその衝動をぐっと押さえ込み北を目指して行軍する。
とにかく時間がなかった。

途中で青いビニールシートが敷き詰められている隅田公園を通り過ぎた。
見ると座るスペースはたくさん残っていた。
どこかのサイトに「隅田公園は穴場だ」と書かれてあったのを思い出し、ここに拠点を設
営しようかと考えた。
が、ふと「ここから花火って見えるのか?」という疑問が湧いてきた。
少し公園に降りたが、視線の先には首都高の高架。高架の下は街路樹が生い茂っていた。
設営ポイントを数メートル間違えると、音だけ花火という状況に陥りかねないと思った。

少し躊躇した末、隅田公園を諦め再び北を目指して歩くことにした。
やがて川の向こうに台東区リバーサイドスポーツセンターの白い建物が見えてきた。
この辺りが隅田川花火大会の第1会場。
さすがにこの辺りは反対側の歩道も場所取りのビニールシートで埋めつくされていた。

第1会場付近 地図
△第1会場付近(16時32分)
△撮影場所

私は浅草駅近辺で貰った地図を見て、花火の上がる向きと高さを考えながら絶景ポイント
を捜しながら歩いた。
けれどもこの辺りは歩道の真上が首都高6号向島線、目の前は街路樹。
花火が高く上がれば高架に隠れて見られず、低ければ街路樹に隠れて見られない。
これは難易度が高い。

結局、歩き疲れたこともあって手頃な場所でビニールシートを敷き、拠点を設営すること
にした。
ここから花火が見られるか見られないかは花火が上がってみないとわからない。
後はどうにでもなれだ。
ベストは尽くした.........と思う。
ただ第1会場にはかなり近い場所にいるので、少なくとも迫力は伝わるのではないか。
そんなことを漠然と思いながら、花火が上がるまでの長い時間を過ごすことになった。

設営拠点
△ここから花火は望めるのか

(つづく)




■レポート②:婦女子は必ず遅刻するものか?

作戦ポイントである白髭橋付近に到着するためには、最寄り駅を東武伊勢崎線の東向島駅
に設定する必要があった。
しかしここで問題が発生。
いくら日本語がある程度理解できるとはいえ、日本に来てまだ間もない親愛なる隣国の方
に「東武伊勢崎線の東向島駅」と言って伝わるのかどうか。

恐らく「トウブイセザキセンのヒガシムコージマエキ」ぐらいにしか伝わらないのではな
いか。
山手線とか中央線とかメジャーな鉄道ならまだしも、東武伊勢崎線などという終点は秩父
の山奥かあるいは奥多摩の僻地かと勘違いしてしまいそうな路線名を知っているとも思え
ないし。

・・・終わった。事前リサーチの努力も何もかも。

サカモト氏は既にチヒョンとジアンに「16時に地下鉄銀座線の浅草駅改札前で」と伝えて
あったらしく結局集合場所はそこになった。
作戦ポイントから遙かに外れている上に集合時間が既に作戦ポイント到達時間とあっては、
もはや作戦の遂行は不可能なのではないだろうか。

親愛なる隣国の方々は正直どうでもよく、花火しか眼中にない私にしてみれば既に無線機
に向かって「隊長!撤退許可を!!」と叫んでいる状況に半ば等しかった。

15時40分頃。
集合時間より少し早いに時間に私とサカモト氏は待ち合わせ場所に到着。
この時間でまだまだ人は少ないだろうと考えていた私は甘かった。
地下鉄銀座線で浅草に向かう途中で浴衣を着た若い女性やら人がワンカサ乗り込んできた。
私服の女性も花火がどうのこうのという会話をしているところから、我々の敵であること
は想像に難くなかった。
案の定、全員浅草駅で降りやがった。

浅草駅改札口
△浅草駅自動改札前の人だかり(15時50分頃)

しかし混んでいるとは言え、さすがにまだ16時前。
殺人的な混雑というわけではない。
改札前では駅員が拡声器で盛んに「帰りのキップは今のうちに買っておけ」と連呼してい
る。そして浴衣を着た姉ちゃんが東京メトロの団扇を配っていたので、有り難く頂戴して
おいた。

チヒョンとジアンが集合時間前に到着するかもしれないと考え、サカモト氏は自動改札か
ら吐き出される人間に目を懲らす。
私はその2人に会ったことがないので、側を通り過ぎる浴衣を着た女性を眺めては襟元か
らチラチラ覗かせる双丘を束縛する色鮮やかな布に悩殺されていた。
浴衣……イイ………

16時。
作戦行動開始時間になっても、親愛なる隣国の方々は全く姿を見せない。
自然と私の団扇を仰ぐ動きが速くなってくる。
私は相当苛立っていた。
苛立つ原因は駅構内の蒸し暑さと、16時を過ぎて明らかに人の数が多くなったからだった。
有り体に言えば焦っていた。

浅草駅改札口
△明らかに人の数が増えてきた(16時頃)

16時10分。
埒があかないと思ったサカモト氏は2人のうちどちらかに携帯電話をかける。
地下鉄構内ではなかなか携帯電話が繋がらないが、何度かかける内にようやく繋がった。
電話を切ったサカモト氏は「今待ち合わせで上野にいるんだって」と困ったような表情で
私に言ってきた。

(゚Д゚)ハァ?上野だぁ?
まったく隅田川を舐めているとしか思えない。

うはwwwwwwwwこれが噂の韓○クオリティwwwwwwwwwwwwwwwwwww

※後でこのことを会社の後輩に話したら「女の子はたいてい化粧とかで時間に遅れるもの
ですよ」と言われたけれど、はてさて。

ここでサカモト氏と急遽作戦会議。
この場で2人で待っていても共倒れになることは必至。
そのため私が斥候として場所取りを行い、サカモト氏は彼女達と合流次第、私を追いかけ
るということになった。
持ってきた地図で私が歩くだいたいのコースを打ち合わせて作戦開始。
ここでサカモト氏とは一旦別行動を取ることになった。

いくら斥候コースを打ち合わせたとは言え、100万人が集結する花火大会。
一説には携帯電話は回線がパンクして使えなくなるとも言われている。
果たして彼と再び合流することができるのか。
別れ際にサカモト氏は「本当に申し訳ない」と私に謝っていたが、なぜ彼が謝るのか理解
できない程、私の腹は煮えくり返っていた。

地下鉄の出口に向かって歩きながらふと昔、
「彼女とデートの待ち合わせで彼女が遅刻するとしたら何時間まで待てるか?」
という質問があったことを思い出した。
確かその時は迷った末に「1時間ぐらい」と答えた気がしたが、今なら簡単に答えが出せ
る。

答え:相手による

(つづく)




■まえがき~隅田川花火大会は殺人的に混むらしい

夏の風物詩-花火大会。
浴衣の売り上げに貢献していると言っても過言ではない恒例行事。
そして日本で一番有名と言っても過言ではないのが隅田川花火大会。
例年、浅草を中心とした狭い地域に100万人近い人間が集結する一大イベントなのです。

テレビ東京で桃太郎侍の感想を聞きながら花火を見るのも結構ですが、やはり花火はナマ
で見ないと。
しかしネットで調べると......。

「花火大会って土手に寝転がってみるものだと思っていました。まさか歩きながら見る花
火大会があるとは
思いもしませんでした」

「あまりの混みように花火を見に来たカップルが喧嘩をはじめる

花火の音だけを聞きながら人の流れにそって歩きました」

どうやら殺人的に混雑するらしい。
そりゃ100万人だものな100万人。日本の人口の約0.1%が浅草近辺に集結すると考えれば、
ラブラブカップルだって喧嘩しますよ。どうせなら喧嘩したついでにとっとと別れてくれ。

これはひょんなことから花火大会に行くことになった私が送る第28回 隅田川花火大会レ
ポートです。来年以降デートコースに考えている皆様のお役に立てられれば幸いです。


■レポート①:花火開始までに場を持たせるためには準備が必要

[参加メンバー]

  • 私・・・・・・・・今回の花火大会にサカモト氏から誘われた
  • サカモト氏(♂)・・・私の高校時代からの友人
  • チヒョン(♀)・・・・韓国からの留学生でサカモト氏の女友達。私は全く知らない
  • ジアン(♀)・・・・・同じく韓国からの留学生でサカモト氏の女友達

どうやらチヒョンかジアンが通っている日本語学校で「日本で一番有名な花火大会は隅田
川だ」と教えられ、サカモト氏にオファーがかかり連動して私も巻き込まれた...という訳。
自分も随分国際派(?)になったものです。

実は私自身、夏バテしてしまい体調は絶不調だったのですが、何かにつけて謝罪と賠償を
要求してくる親愛なる隣国の方々に「これが日本の花火よ!スゲェだろ!!わはははは」
とお国自慢をするために、日本最大級・かつ難関の花火大会に挑むことにした。

事前リサーチから人混みが少なく花火が見られる穴場ポイントは墨田区側の白髭橋付近と
いう結論に達した(地図)。そして場所取り時刻最終防衛ラインは現地1600(※1)

(※1)16時のこと。

花火開始は19時15分からのため、それまで場を持たせるためには酒とつまみは必須項目。
酒の力バンザイ(←自分は弱いけど)。
しかし物資の現地調達は不可能という情報を入手していたため、わざわざ(←ここ重要)
クーラーボックスと酒と冷却剤用の氷をサカモト氏と購入し現地に搬入することに決定。

しかもこれが結構重い......。

なにが悲しくて我々がここまでサービスしなければならないのか。
男とはつくづく悲しい生き物だと改めて実感したのだった。

(つづく)




通勤でよく利用する駅の構内でこんな張り紙を見つけた。

張り紙
△巣立ちまでよろしく ツバメ親子より

張り紙の上には作りたてと思われるツバメの巣が。
作ったのは小田急の駅員だろうか。
しかしなんて粋なコメントなんだろう。

「ツバメのフンに注意」

こんな殺伐とした空襲警報のような張り紙を見るよりも、思わず「くすっ」と心が和ん
で、その日1日を幸せな気分で過ごせてしまう。

お前の幸せは安っぽいなと思われるかもしれないが、
粋なものにはそんな力が込められているように思います。

後日談:
実はこの写真を撮影した翌日には、ツバメの巣を残して張り紙は無くなっていました。
粋なものが理解できない人間がこの世には多いらしい。




時代の流行には逆らえない。
これまでひたすらテキストエディタ(*)でチマチマと作成していたが、どうやらこの
SnapDiaryもブログ化を検討する時がきたようだ。

というわけで。
遠くないかもしれない将来、SnapDiaryはブログへ移行することにしました。
別にブログになったからと言って何が変わるわけでもありません。
これからも変わらないご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。

(*)文章を作成するアプリケーション。Windowsに標準でついているメモ帳を高機能化
   させたソフト。




仕事をとっとと切り上げて強引に帰らせてもらって、夕方から弊社野球部の人と
野球観戦へ───。

その名も「サントリーモルツドリームマッチ2005」
1年間のうち何日練習しているんだろうと疑りたくなる「モルツ球団」と、どう考えても
寄せ集め
としか思えない「ワールドドリームス」の年に1回ポッキリの夢の対決。

チケット
△簡単に偽造できそうなチケット

恥ずかしながら当方、野球部に所属していながらプロ野球に関しての知識は皆無。
しかし東京ドーム入り口で配られた選手一覧を見れば、いくらプロ野球に無知の私でも
知っている選手が勢揃い。
心配なのは試合中に脳溢血やら心臓発作で倒れる選手が出ないかどうかだけです。

選手名簿
△往年のスター選手が揃い踏み(クリックで拡大)

ちなみにホームページではしっかり名前が載っていたクロマティは最近のゴタゴタ(※1)
が影響してか登場せず。
この辺りは大人の事情を感じさせます。

(※1)最近のゴタゴタ……
クロマティが2005年夏に公開予定の映画「魁(さきがけ)!!クロマティ高校THE☆M
OVIE」について、「氏名を無断で使われた」として民事訴訟で争う構えをみせた件。

行く前は「どうせモルツの宣伝のための興行なんだろ」と醒めた見方をしていたのです
が、ひょっとしてこれはかなり面白いのでは?そんな期待を抱かせてくれるメンバ構成。
何よりも「ワールドドリームス」の監督が坂東英二というのがいい。「世界ふしぎ発見」
だけの人ではなかったのか、と思わず感心してしまった。

試合開始前のセレモニーでは最近フリーになったこの人が登場。

福澤アナ 福澤アナ
△かつては「ファイヤー!」の人
△福澤アナウンサー

ドーム内は音響がワンワン反響して大抵何を喋っているのかサッパリ聞き取れないのです
が、さすがは福澤アナ。その辺の事情を熟知しているようで快活な喋りな中にも絶妙な
間を盛り込み、大変聞き取りやすかった辺りはさすがプロ。

始球式では「なっちゃん」の田中麗奈あたりが登場する辺り、さすがはサントリー。

始球式
△始球式は田中麗奈と萩本欽一

そしていよいよ夢のドリームマッチの開幕です。
「ワールドドリームス」の先発投手は、

川崎憲次郎
△一軍無登板なのに球宴1位になった伝説の人

川崎憲次郎キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ッ!!

事前にインターネットでファン投票はなかったはずだが......これはネタなのか?
坂東監督兼GMの手腕が楽しみなところです。

スターティングメンバー 川崎憲次郎
△スターティングメンバー
△注目の川崎のピッチング

ところが立ち上がりから川崎不調。
ストライクが入らない上に甘い球を打ち込まれ打者2人で早くもモルツ球団1点先制。

やはりネタだったのか。

と思ったら川崎憲次郎は2回で降板(※2)。はやっ。

(※2)2回で降板……
ファンサービスで選手を全員出場させるために、どの投手も1回もしくは2回で交代し
ていた。

モルツ球団は次期巨人軍監督と目されている原辰徳やら錚々たるメンバーを擁し、ワールドドリ
ームに対して全く容赦ナシ。
ワールドドリームスを滅多打ち。
テレビで調子のいいことを喋っているだけだと思い込んでいた宮本和知の137km/hも驚い
たが、何よりも驚いたのがこの人。

マサカリ兆治
△マサカリ村田兆治(55歳)

55歳で球速139km/h( ゚д゚)ハエー

スピードガンに細工がしてあるんじゃあるまいかと思ってしまったが、確かに速かった。
村田が1球投げるごとに観客が「うおぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉ……」というどよめき。
そして、やんややんやの大喝采。
きっとアストロ球団ばりに10球投げたら死亡するような必殺投法でもマスターしている
のか、普段は大リーグ養成ギブスを装着して生活しているかのどちらかだろう。
老いて益々盛んとはまさにこのこと。

ワールドドリームスは登板する投手が尽く打ち込まれ、試合は15対0でモルツ球団が圧倒。
8回にはとうとう板東監督、我慢しきれず。

板東英二
△ピッチャー坂東英二

監督自らマウンドに立つ。

そして試合の締めはやっぱり江夏豊(←野球オンチの私でも"江夏の21球"の人ってことは
知ってた)

江夏vs田淵
△江夏豊vs田淵幸一

こうして約3時間に渡って酔いしれたドリームマッチは大盛況のうちに幕。
モルツ球団(普通に強かった)が15対0で圧勝したものの、結局試合の結果なんてどうでも
よく、かつて活躍した名選手のプレーがもう1回見られるところに意義があるのだと再認
識。野球に無知な私も大いに楽しませてもらいました。

最後にゲームの間モルツの宣伝攻勢がずっと激しかった、ということを付け加えておきま
す。




運の悪いことに、この日は休日出勤で私は会社(東京23区内)で仕事していた。
熱心に仕事をしていたWebサイトを眺めていた私は突然のゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
というジョジョばりの地鳴りと、その後の揺れに直感的に「これはやばいかも」と思った。
(※ジョジョ:「ジョジョの奇妙な冒険」)

ついに来たのか。
関東大地震。

この尋常ではない揺れに棚の上に置いてあったモニタが踊る踊る。
慌てて立ち上がってモニタを手で押さえたが、今考えてみるととモニタなんてどうでもよ
く、すぐにデスクの下に身を隠すべきだった。

自分動揺しすぎ。
小学校の避難訓練の成果は全く生かされていなかった。

揺れが収まると真っ先にWebで地震速報をチェック。

地震速報
△関東地方で震度5弱(by Yahoo!)

17時(地震発生から約30分後)

電車運行情報を調べてみると

JR列車運行情報
△JRは軒並み運転見合わせ(by Yahoo!)

そんな中、

小田急列車運行情報
△小田急列車運行情報

震度5強の地震にも動じない小田急はネ申!!

と思ったら

小田急列車運行情報
△上の画像の7分後

(´-`).。oO(なんだ更新が遅いだけかよ...)

それにしてもこの地震に遅延だけで電車を走らせてくれる小田急はステキだ。
他の電車情報も...と思い、
JR東日本東京メトロ東京都交通局の各サイトにアクセスするが、アクセスが殺到して
いるせいかまったく繋がらず
しかしそんな中でもYahooはサクサク繋がってくれる。
これがバックボーンの違いなのか。

20時(地震発生から約3時間30分後)

帰宅途中に新宿駅を通る。
さすがに新宿駅は大混乱のようだった。
この時間にようやくJRが運転再開したのか、駅員の情報にみんな熱心に耳を傾けていた。

新宿駅西口
△混乱の新宿駅(西口)

20年前からいつかは起こると言われている関東大震災。
この地震でエネルギーを消費してくれてないかなぁ。




それは帰りの電車の中でのこと。
私の左隣に座っていた少しハデ目な若い女性がスケジュール帳を膝の上に広げて、熱心に
携帯電話を操作していた。

なんとなくそのスケジュール帳に目をやると。

8/01(Mon) MIRACLE 豊島園(はぁと)
8/15(Tue) MIRACLE 海水浴(はぁと)
8/24(Sun) MIRACLE ディズニーランド(はぁと)
8/30(Sat) MIRACLE 旅行(はぁと、はぁと)

すげぇ。
こいつのスケジュール、奇跡ばっかりだ。

それからふと右隣を見るとおばちゃんがビジネス雑誌を読んでいた。
雑誌の見出しがふと目に入った。

(大見出し)
未来工業
休日140日、残業ゼロで高収益
(中見出し)
ホウ、レン、ソウはしない。

・・・自分にとってはこっちの方がミラクルだ。




少し前の話題になりますが、7月12日文化庁が「国語に関する世論調査」を発表しました。
これによると6.慣用句の使い方で「青田買い」(誤用)や「汚名挽回」(誤用)を使う人
が「青田刈り」、「汚名返上」を使う人よりも増えていること。
7.言葉の意味では「枯れ木も山のにぎわい」の意味を正しく理解している人と、間違っ
て理解している人が拮抗しているという結果が出ているようです。

「青田刈り」なんてロリスキーな日本人としては、女の子は幼いうちに刈っ…(以下自粛)とい
うことでこっちの意味の方が合っているんじゃないか、などと思ったりします。
(三省堂「大辞林」では"青田刈り"も"青田買い"と同じ意味だとしています)

ちなみに私はロリスキーではありません。

もしかしたら"青田刈り"はゲーム「信長の野望」の影響もあるのではないかと。
敵国の戦力を弱めるために、合戦に行くたびに相手国の収穫前の稲を刈ってしまうコマン
ド"青田刈り"と本来の言葉の意味が融合したとか......まさかね。

自分は文章を書いて生計を立てているわけではありませんが、一応Webサイトを通じて情
報発信をしている人間としてはできるだけ正しい日本語を使おうと心がけているように
しています。

しかし思い込みとは恐ろしいもので、「国語に関する世論調査」の中にある"世間ずれ"
という言葉の意味を"世の中の考えから外れている"だとずっと思っていました。

ちなみに"世間ずれ"は以下が正しい意味となっています。

  • 世間ずれ
   ○:世間を渡ってきてずる賢くなっている。
   ×:世の中の考えから外れている。

もしかしたら他にも言葉の意味を取り違えているものがあるかもしれないと思い、色々調
べてみました。
以下は私が「間違って覚えていた」あるいは「過去に間違って使い恥をかいた」言葉の意
味です。

  • 閑話休題
   本筋から外れて余談に移るときに使うものだと思っていました(→正しい意味

  • 煮詰まる
   考え、議論し尽くして万策が尽きた状態のことかと(→正しい意味

  • 役不足
   与えられた仕事に対して自分の力量が及ばないという意味ではありません。それは
   力不足(→正しい意味

  • 方法論
   どうやって実行するのかという方法を議論するという意味じゃなかったのか(恥。
   (→正しい意味

  • 的を得る
   こんな言葉ないです(→正しくは「的を射る」)

  • 確信犯
   悪い事と解っていてあえて犯罪を犯す人のことだと思ってました(→正しい意味

  • 憮然
   怒るという意味はありません(→正しい意味

ところで。
こういう「正しい日本語の意味」という議論になると必ず

「言葉は常に変化する。新しい意味を容認しないことは新しい文化を否定することだ」

と、なんでもかんでも(現時点で)間違った意味を容認しない人をまるで保守派の権化みた
いに非難する人がいます。
確かに言葉は常に変化します。
しかし正しい意味も知っておく必要もあります。

正しい意味を知った上で確信犯的(←誤用)に使っているのか、そうでないのか。
生まれた場所も育った環境もそれぞれ違うのだから、(現時点での)誤用を容認できる人、
できない人、人それぞれです。
それらの人が互いに議論して、時代が流れたときに多数派の人が使っている言葉の意味が
正しい日本語になるのではないでしょうか。




少し前に弊社内で「謎の天丼工場」の話題を耳にした。
弊社近くに旨くて安い天丼を売ってくれる店があるのだが、いろいろと謎が多い様子。

以下は収集した「謎の天丼工場」に関する情報。

  • その店は日曜日は休みらしい。
  • その店は老夫婦がやっているらしい。
  • 天丼に搭載されているエビは大きい。
  • しかしよくありがちな衣だけデカくて中身(エビ)がお粗末というようなパチモノではない。
  • 昼休みには店の前に人が並ぶ。
  • 店主が客の前で天ぷらを揚げているが、天丼を注文するとなぜか店の奥から出てくる。
  • しかも店の奥へ通じる戸が開いていると店主が戸を閉めてしまい、天丼を作っていると
    ころを見せてくれない。

目の前で揚げている天ぷらを使ってくれればよいのに、わざわざ店の奥から持ってくると
ころが謎です。
しかも「見ないで下さいね」と言わんばかりに戸を閉めて奥で作業って…鶴の恩返しか?

こうなると我々の妄想は膨れ上がる一方。

「実は老夫婦がやっているというのはウソで、扉の向こうには広大な地下天丼工場があっ
て大勢の従業員が働いている

「秘密見たさに戸を開けると「見ましたね....」と言われて翌日には閉店してしまう

「老夫婦のお婆さんの方は実はエビで、店の奥で卵を産んでいる

ぎゃああああああああああ。

・・・まさに謎の天丼工場です。

そんな噂を聞いたら一度言ってみたくなるのが人情というもの。
今日は休日出勤で会社に来ていたので、昼休みに謎の天丼工場へ行ってきました。

そういえば前に天丼工場への地図を後輩が書いてくれました。

地図
△なんだこれ?

水に5分浸したら文字が浮かび上がってきたような地図を頼りに一路、天丼工場へ。
ボーッと歩いていると見落としそうな場所にその店はありました。

天丼屋
△巨大地下工場があるとは思えませんが

店の前には確かに「お持ち帰り 天丼」「江戸前の風味 うな丼」と書いてあります。
どうやらここで間違いなさそう。

想像していた店とちょっと違っていたので、少し緊張気味に入り口をくぐると、なるほど。
確かに入り口のすぐ横が厨房になっていて、職人気質っぽい店主が働いていました。
しかし私が行った時には、天ぷらはすでに揚げ終わったらしく店主が一人黙々と掃除を
していました。

もう店じまいかと思いましたが、とりあえず「天丼を一つ下さい」と声を掛けると、店
主は奥に向かって

「おーい、天丼一つこさえたって」

と呼び掛ける。
すると店の奥から「はーい」という女性の返事。

やはり天丼は店の奥から出てくるようです。

で、購入した天丼がこれ。

天丼
△天丼500円ナリ

大きいエビ3匹、かき揚げ、イカ、その他野菜が搭載され500円とはかなり安い。
そして何よりもボリュームが結構あって、朝食を抜いていたにもかかわらず全部食べた後
は満腹感から暫く動けませんでした。
さらに味は良質の素材を使用しているせいでしょうか、そのままでも十分美味しい上にさ
らに秘伝(?)のタレがご飯にまで良く染み込み、これが素材の良さをさらに引き立ててい
るようでした。
一言でまとめれば「うまいから一度食べてみろ」ということ。

それにしても相変わらず料理のコメント下手だな>自分。

美味しい天丼ごちそうさまでした。
謎の天丼工場────謎はさらに謎を呼ぶ。




月日が経つのは早いもので。
昨年の敗戦から1年。今年もこの時期がやってきました。
結果は1ヶ月後に判明するのですが、それまでに語っておきましょう。
あの戦いの記録を。

今年の会場は武蔵工業大学 世田谷キャンパス。
自宅(神奈川)から電車を乗り継ぎ、乗り継ぎ1時間30分。
私は尾山台駅に降り立ちました。

昨年、目の当たりにしたオークの大群スーツ姿の受験生を撮影しようと少し早め
に到着したのですが、少し改札口の方を見ていて清算する連中が多いのに驚きました。
わずかな時間で駅に受験生が殺到することを考えたら、降車駅での清算など時間がかかる
ことは明らか。
案の定、清算機には長蛇の列。

会場に向かう受験生
△これから戦場へ向かう兵士たち

・・・おまえらパスネット購入しる!

ところで。
今年の受験生は昨年度とは大きく異なっていました。
なんとスーツ姿の受験生が少ないのです。
昨年はスーツ8割、私服2割ぐらいの割合で、

1次試験(筆記だけ)なのに何スーツで来てんの?(´,_ゝ`)プッ

と心の中でニヤニヤしていたのですが、今年はスーツ6割、私服4割ぐらい。
この変化はどうしたことでしょう。
2回目以降の受験生が増えたせいなのか
......。 受験生の質の向上は私の死(=不合格)に直結します。
・・・俺ヤバイかも。

なんだか余裕ぶっこいた調子で書いていますけど、実はこの時私自身かなり緊張していて、
ひっきりなしに嘔吐感がこみ上げていました。

駅から歩くこと十数分......ついに今回の戦場である武蔵工業大学に到着。

受験会場
△決戦の地-武蔵工業大学

受験会場に入ってまず最初に座席表から今年の受験者数を数えます。
これでおおよその受験者数がわかるからです。

・・・100人超えてるじゃねぇか!

座席数を数えると150席ぐらいでしょうか。
昨年は100席程度だったので単純計算で受験者数1.5倍増
2ちゃんねる風に言えば、

ちょっwwwwwwおまwwwwww人大杉
wwwwwwwwww俺ヤバス。

自分の席に座るなり、あまりの環境の悪さに愕然しました。
A3用紙を広げられないぐらい小さな長机。そして硬くて痔になりそうな椅子。
そして私の前に座っている人間が椅子にもたれかかると、私の机の面積が少し占領される
ぐらいキツキツの机間。
(劣悪な机と椅子の割には高さそうな液晶テレビが天井から何台もぶら下がっていました)

ナニコレ?

武蔵工業大学の学生が毎日こんな劣悪環境で授業を受けているのかと思うと、私は涙を禁
じえませんでした。

試験は例年通りの3科目。
(1)一般教養・教職教養試験(90分)
(2)専門教養試験(60分)
(3)小論文(90分)

正直あんまり試験のデキには触れたくないけど、触れざるをえまいか。


■一般教養・教職教養試験

一般教養の問題から解き始めたのですが、思いのほか簡単な内容。
おっ、ひょっとして高得点確実か!?
・・・と油断したのが失敗でした。

次第に出題は「東京都の財政について・・・」とか「東京都の教育政策について・・・」
とかやたら東京都に関係する問題が連発(東京都の採用試験だから当然といえば当然ですが)

日ごろから東京新聞とか読んでいないと厳しい問題ばかりでした。

それにしてもこれって本当に"一般的な教養"なのか?

初戦はどちらかというと負け戦。
なにやら暗雲が立ち込めてきました。


■昼休み

そういえば私の弟が私ためにわざわざ早起きをして、昼食用におにぎりを握ってくれまし
た。

おにぎり
△しかも保冷剤付きという心遣い

なんて優しいんだ。我が弟よ。
手前味噌ながらこれも日頃の調教の賜物弟の心の優しさの現れなのでしょう。
ありがとう。(ノ_・。)クスン
今年もダメかもしれなけど頑張ってみるよ。

昼休みは美人女教師のたまごを物色するために気分転換のために、教室を出て中
庭で昼食を取ることに。

中庭ではみんなそれぞれ思い思いの場所に陣取って昼食を取っていました。
きっと数人でかたまって談笑している連中達は、大学生なのだろう(浪人生の私は毎年ひ
とりぼっち)。
日陰でイチャついているカップルは果たして何しに来ているんだろう。戦場をバカにする
なよ(けれどこれが合格しちゃったりするから世の中わからないものです)

それはともかく。
受験生の中にはなんと申し上げたらよいのでしょうか。
私の脳裏には「もののけ姫」のテーマソングがガンガン鳴り響いていました。

またまた2ちゃんねる風に言えば、

ちょwwwwwwwwお前ヤバスwwwwwwwwwwwwww
お前が教壇立ったら生徒トラウマwwwwwwwwwwww


■専門教養試験

去年は自慢の空母4隻沈められたぐらいショックを受けた専門教養試験。
試験が始まって意を決して冊子のページをめくると、これがまた全然ワカラン。

地学では天文学ではおなじみのHR図に関する問題が出題され、
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!などと大喜びをしていたのですが、如何せん大学卒業後の
ブランクは長く綺麗サッパリ忘れていました。
元国立天文台のイソベ先生。申し訳ありません。

去年よりは出来たとは思うけれど......。
戦況で言えば、

伝令「申し上げます!○○様、△△様、討ち死にされましたぁ!!」
伝令「申し上げます!□□城、奪われましてございます!!」

総合的に見れば負け戦。
試験で会心の手ごたえって今までの人生で体験してないなぁ。


■小論文

試験監督が専門教養試験の解答用紙の回収に手こずったおかげで休憩時間が5分しかなか
った(-。-;)

小論文は......まぁ満点でしょう。

ちなみに今年の小論文の出題は、

A.学校においては、児童・生徒一人一人のよさや可能性を伸ばし、個性を生かす教育の
一層の充実を図ることが必要です。
(1)このことについて、あなたの考えを述べなさい。
(2)(1)で述べた考えに立って、あなたは教師としてどのように実践していくか、志
   望する校種・教科等に即して、具体的に述べなさい。

B.学校においては、思いやりの心や社会生活の基本的ルールを身に付け、社会に貢献し
ようとする精神をはぐくむことが求められています。
(1)このことについて、あなたの考えを述べなさい。
(2)(1)で述べた考えに立って、あなたは教師としてどのように実践していくか、志
   望する校種・教科等に即して、具体的に述べなさい。

というAかBの選択。

規定文字数(1200字~1500字)の間に収まったし起承転結もはっきりしているし、何より
もこの1年間は教育の専門書を読み漁ったおかげで書くネタには困らなかった。
そして何のためにこのSnapDiaryを1年間続けてきたのか。
すべては文章を書くのに慣れるため。小論文対策のため。

採点する人は私の教育論が読めるのだからむしろ原稿料を請求したいぐらい(←言いすぎ)

そんなこんなで第4次教員採用試験の陣は終了です。
1次試験を突破できたかわかりませんが、合格したときのことを考えて明日から2次試験
(面接、模擬授業、集団討論)の対策に取り組みます。
人生願いを持ち続ければ、望みはいつか叶うことを信じて。

(おまけスナップ)

おにぎり
△合戦を終えて退却する軍勢



このタイトルの記事を書くのは今年で最後にしたいと正直思っています。
明日、東京都の教員採用試験(1次試験)に出陣します。
去年も似たようなことを書いた気がしますが、出陣するにあたっての今の心境などを簡単
に書きます。

ここ1週間は正直なところ体調が思わしくありませんでした。
「今年がダメでも来年があるさ」と不合格になる度に落ち込む自分を励ましてきたのです
が、やはり試験前ということもかなり神経質になっていました。

昨年の不合格から今日までを振り返りますと、4回目の試験になると浪人慣れというか試
験勉強に余り身が入らない状態であったように感じます。
一つには昨年は1次試験を突破できたことから「今年もひょっとして…」という慢心した
気持ちがどこかにあったのかもしれません。
ただこれまでの土台があったため、勉強時間は少なくはありましたが効率よく勉強できた
ように感じています。

大学受験と同じで採用試験の受験勉強にも終わりはありません。
先の見えないゴールを目指して不安と戦いながらの1年でした。
世の中には1回の試験で合格し、教員になれた人も数多くいるのに自分は3回も受験して
失敗───。
よほど才能がないか教員に向いていないのだろうか・・・。そんな考えが幾度も頭をよぎ
りました。

ただ才能がなければ努力するしかない。
諦めなければ思いはいつか叶う。
そう考えまた1年なんとかやってこれたのはひとえに皆様からの励ましがあったからだと
感謝している次第です。

今日は試験の前日ということもあり、ほとんど何もしませんでした。
強いてやったことは過去に解いた物理の問題を見直したり、教育関係の専門書を読んだり
……とそんなところでしょうか。

取り留めのない内容になってしまいましたが、とにかく明日は悔いが残らないように全力
を尽す、今言えるのはそれだけです。